サイクル理論と値幅論、私が投資判断に使わない理由
ひとつ、前から気になっていることがあります。
オプションを専門にしている人で、サイクル理論や値幅論で相場を語る人を、私はあまり見かけたことがありません。
これ、偶然じゃないと思うんです。たぶん、水と油なんですよね。
なぜそう感じるのか。今日はその「なぜ」を、私なりに言葉にしてみます。ちょっと挑戦的な回かもしれません。
🧭 否定しているのは「チャート」ではない
先に誤解を解いておきたいのですが、私は一目均衡表のチャートが嫌いなわけではありません。むしろ大好きです。
転換線、基準線、遅行線、雲。
これをレジサポ(支持線・抵抗線)として見る使い方は、本当によく効く。遅行線という形で「時間」がチャートに入っているのも、私は気に入っています。
私が距離を置いているのは、その奥にあるサイクル理論・値幅論・変化日のほうです。
私はTradingViewで様々なチャートで投資しているので、ここを分けて話さないと、言っていることがおかしくなりますので最初に言っておきます。
🤔 私が引っかかっている「絶対値」という前提
サイクル理論は「一定の周期で株価が転換する」、値幅論は「過去の値幅が将来の値幅の参考になる」という考え方です。
直近で2000円下がったから、反発したら倍の4000円を狙える——そんな見方ですね。
私がどうしても引っかかるのは、これが全部絶対値で組まれていることです。
日経平均が2万円のときの2000円は10%。でも7万円の今の2000円は、3%ちょっと。
同じ2000円なのに相場へのインパクトはまるで違う。
株価がほとんど動かない短い期間ならまだ目をつぶれます。
でもここ3〜4年のように水準そのものが大きく変わった相場で、絶対値を物差しにするのは、考えれば考えるほど無理があるな、と。
🔢 「なぜ9なのか」が、私には腑に落ちなかった
もうひとつ、昔から引っかかっていることがあります。
一目均衡表で使われる9、17、26という数字。9が1節、17が2節、26が3節、というふうに周期が組まれています。
でも、なぜ9なのか。 8や10ではダメなのか。
私も昔、何冊か本を読みました。でも腑に落ちなかった。いま調べ直しても、出てくるのは「自然の摂理」「森羅万象」みたいな言葉で、正直よく分かりません。
考案者の一目山人が、何年もかけて実態から導き出した数字だと言われています。その労力はすごいと思う。
ただ、それが論理的に証明された数字なのかというと、たぶん違う。「9、17、26が当時にはちょうどよかった」に過ぎないのかな、と私は感じています。
数学的に証明されないと戦術にならない、とまでは言いません。信じる人は信じればいい。そこは本当に否定しないんです。
ただ私自身は、「なぜ」を説明できない数字で自分の投資戦術を構築できない。それだけのことです。
📅 「3択」に気づいてから戻れなくなった
決定的に冷めたのは変化日についてでした。
変化日には「転換・加速・延長」のどれかが起こる、と解説されます。もちろん原著の本物にはもっと細かく詳しく説明されていると思いますが、そもそもの内容に??が付きます。
例えば株価が上昇している時の転換は「下がる」です。
加速=「もっと上がる」、延長=「大きく動かない」。
つまり「上がるか、下がるか、横ばいのどれかになる」と言っているのと同じなんですよ。
上がれば変化日に「加速した」、下がれば「転換した」、何もなければ「先送りされた」。
どう転んでも説明がつく。
これに気づいてしまうと、変化日を見て「今日は買いか売りか」を判断する材料には使えなくなりました。後付けの解釈には便利。
でも、それは予測でも戦術でもないんですよね。
変化日は大きく変化するので注意して相場をみよう。
そんなこと言い出したら、毎日がセール もとい 変化日です。なにせ日経VIが30を超えることが1年以上 常態化しているのだから。
📊 オプションをやると、絶対値が無意味に見えてくる
そして、ここがいちばん伝えたいところです。
オプションを触っていると、ボラティリティと需給を抜きに値幅や日数を語ることが、どうしても雑に見えてくる。
値幅論が成り立つには、ボラティリティが時間を通して安定している必要があります。でも、そんな前提は現実には成立しません。
実際、日経VIはここ1年ほど30〜35に張りついたまま。ゴルディロックスと呼ばれた頃の15〜17とは別世界です。
VIが17のときの1500円と、35の今の1500円。値幅は同じでも私にとっては「別の数字」に見えます。
日数も同じで、同じ10営業日でも毎日0.3%しか動かない相場と、上から下まで1500円動く今の相場では、消化した情報量や出来高、資金量がまるで違う。
そこに、日銀の金利正常化、海外勢の影響度、ガンマ、CTAのアルゴ、ETFのリバランス。昔のテクニカルが生まれた30〜50年前にはなかった力が、いくつも乗っています。
9日周期や前回値幅の反復を前提に相場が動いているとは、私にはどうしても思えないんです。
エリオット波動についても、正直、同じ気持ちでいます。後講釈には使えても、100人に分析させたら100通りの答えが返ってくる。
時間足から年足まで時間軸が何本もあって、どの波をどう数えるかで結論が割れる。過去のお絵かきはできても、未来の指針にしようとすると、私の手には負えませんでした。
🌱 私が代わりに置いている軸
じゃあお前は何を見ているんだ、と言われそうですが、私はテクニカル、つまりチャートメインです。使うチャートがサイクル理論や値幅理論ではないということですね。
そして常にボラティリティ水準を意識して値動きや値幅を想定します。
私はチャートで未来を当てにいくことをしていません。あくまでオプションでの投資効率を高めるために、より確率のいい勝負をするために使います。
オプションでボラティリティに触れる。ATRやボリンジャーバンドの標準偏差から、いまの値動きでどこまで上がりそうか、どこで下げ止まりそうかを測る。
そして、上がるか下がるかを先回りしない。
下がってきたところが反転したのを確認してから、ボラティリティ水準を見て、大丈夫そうなら上に張る。天井はその逆。落ちるナイフをつかみにいくから、もう一段下げて焼かれるんですよね。
サイクルや周期は確かにわかりやすい。わかりやすいから人は飛びつくし、発信する側も支持されやすい。その気持ちはわかります。
でも私は、わかりやすさより、いまの相場に根拠がある方を取りたい。だからボラティリティのほうに賭けています。
コロナが我々人類のライフスタイルや常識を大きく変えました。
それと同様にトレード手法、チャート戦術、テクニカル分析もコロナを機に大きく変わったと私は思っています。だから何十年も前のレガシーテクニカルや投資の常識は通用しなくなっています。
投資において普遍なもの、サステナブルなものはあり得ません。ですから、古い投資術や絶対値をベースにする戦術は、ボラティリティが変化する相場の世界において基本的にワークしないと考えるべきだと私は思います。
時代の変化に合わせて、チャートや戦術もプラッシュアップされなければおかしい。
今投資戦術を勉強するなら、「今」にマッチした、「今」ワークする、そして変化に対応できる戦術であるべきだと考えています。
なので私は、サイクル理論、値幅論というのは、現代のハイボラ世界では大した根拠がない、昔の考え方が今も変わらずワークする方がおかしいと考える派です。
おわりに
ここまで言い切ると、一目均衡表やエリオット波動を真剣に学んでいる方からは、お叱りを受けるかもしれません。それも承知のうえで、私はこう考えている、というだけの話です。
正解をひとつに決めたいわけではないんです。
ぜひ多くの方のお考えを聞きたいと思っています。
もしあなたが、サイクルや値幅で「これは効く」と感じた経験があるなら、どんな場面だったのか教えてください。
逆に「絶対値の話、わかる」と思った方も、ふだん何を軸に判断しているか、返信でこっそり教えてもらえると嬉しいです。



なるほどですね。私は一目均衡表の計算値や基本数値といったものもとても面白そうだと感じてます。理解できたらトレードにおいてかなり有利になるのではないかと、、といってもかるーく触れてる程度なので何か語れるほどの見識はありませんが。で、「基本数値ってこんなにいっぱいあるんやなぁ。まぁそりゃどこかで反転するよな」なんてボソッと思ったりはします(笑)。もちろん真剣に均衡表を研究されてる方からは素人が利いたふうな口をきくなと怒られるでしょうけど。