日経VIが35の時代に、私が投資行動を変えた5つのこと
唐突ですが、私がいま持てるポジションは、昔より減っています。
オプションをがっつりやっている人間が、ポジションを減らしている。なんだか後ろ向きに聞こえるかもしれません。
でも私のなかでは、これは攻めの判断なんです。なぜそう考えたのか、今日はその中身をお話します。
この記事の執筆は2026年6月27日。
日経VIは前日終値時点で実質40近く。30超えがもう1年ほど続いています。この数字の意味を、私なりにどう受け止めているか、という話でもあります。
🧭 まず、私がいちばん誤解してほしくないこと
「ボラが高い=これから下がる」。読者の方からもよく聞かれます。
でも、これは違うんですね。
日経VIは恐怖指数なんて呼ばれますが、暴落予言ではありません。表しているのは「株価が毎日激しく動く」ということだけ。株価が急騰してもVIは上がります。
しかもVIは、過去の値動きを集計した数字ではありません。
225オプションのインプライドボラティリティ、つまり市場参加者が見ている「これから1〜2ヶ月」から作られます。
過去ではなく、未来を見ている。私はここに、いつも背筋を正される思いがします。
言い換えれば、225オプションという「保険」の値段を見て、市場がこの先どれくらい動くと身構えているかを読んでいる、ということ。
だから私はVIを、相場の体温計のように毎日チェックしています。
🧮 「1500円動いても普通」を腹落ちさせる
VIが35というのは、年率35%の変動幅という意味です。
これを1日に直すと、252営業日でルート252で割って、日率は約2.2%。日経7万円なら、上下に約1500円。
つまり今は、1日で1500円動いても「想定内」。これがプラスマイナス1σ、約68%が収まるレンジ、という標準偏差の世界です。
ちなみに、その外に出る確率も約32%あります。上に16%、下に16%。つまり1500円以上動く日も、決して珍しくない。これを知らずに毎日の値動きへ一喜一憂すると、メンタルのほうが先に削られてしまいます。
私がこの数字を腹に落としてから、相場の見え方が変わりました。
終値で1000円動いて「暴落だ」と騒ぐニュースを見ても、いやこれは今の水準ではせいぜい急落だな、と一歩引いて見られる。逆に、自分のポジションが1500円分の逆風を食らう可能性も、常に織り込んでおく。
数字を知っているかどうかで、同じ値動きの受け止め方が、まるで変わるんですよね。
🪤 経験者ほどハマる、という現実
ここが今日いちばん話したいところかもしれません。
コロナ前のゴルディロックス相場では、日経VIは15〜18。日率は約1%で、押し目買いもナンピンも割と機能しました。
ところが2024年夏の植田ショック、いわゆる令和のブラックマンデー以降、ボラは高止まりしたまま。その後もトランプ関税ショックや中東情勢で、下がってこない。
ボラが低い時代は、下がったら買う「押し目買い」が素直に効きました。
でも今は、押し目だと思って買った翌日に、もう一段深く突っ込む。同じ行動が、まるで逆の結果を生むんですよね。だから「下がったら買い増す」を反射でやる人ほど、いまの相場で削られていきます。
この環境で危ないのは、実は初心者よりも昔うまくいっていた経験者なんです。
「こういう時はここで買っとけばええんや」。その成功体験のまま同じサイズで入って、一度逆に振れた瞬間、昔よりはるかに速く資金が枯渇する。
私自身、何度も「この感覚、もうアップデートしないと危ないな」と思わされてきました。
”正しい銘柄を選べば勝てる時代はもう終わった”んだと思います。
正しく入るのは、いまや当たり前。
そのうえで、正しく小さく持って、正しく逃げる。ここまでできて、ようやく相場に残れる。
昔は「正解を選ぶ」だけで勝てた分、この変化はベテランほどしんどい、というのが私の実感です。
✅ 私が実際に変えた5つのこと
抽象論で終わらせたくないので、自分の手の内を書きます。
1つ目、銘柄選びより先にポジションサイズ。 ハイボラでまず考えるのは、銘柄ではなく枚数と金額です。
2つ目、ナンピンを基本戦略から外す。 下がったから買い増す、を機械的にやらない。信用でのナンピンはもう禁じ手だと思っています。
3つ目、長期の資金と短期の資金を混ぜない。 ここは私もメンバーにいつも言っています。
そして、私自身のいちばん具体的な変化がこれです。
私はオプションの証拠金を、ゴルディロックス時代は300万円でやっていました。それを今は350〜400万円。ただ、これはボラが上がったからというより、証拠金の計算方式がVaR方式に変わって、必要額そのものが上がったから、渋々100万円足した、というのが実情です。
結果として、ハイボラ+VaRで証拠金水準が上がった今、昔より持てるポジションは減っています。
でも、それでいい。
レギュラーのオプションから、サイズが10分の1のミニオプション主体に切り替えたんです。リターンは減りましたが、リスクも減った。これが4つ目の「信用とレバレッジを普段以上に警戒する」の、私なりの実践です。
先物をやっている人なら、ミニからマイクロへ枚数を落とすイメージですね。
この4つ目には、もうひとつ具体例があります。先物でも私は、昔は「500円担がれたらロスカット」とやっていました。
でも今の500円は、日中変動の1%にも届かない。
0.7〜0.8%で切っていたら、ちょっとの揺れで毎回刈られてしまう。かといって2%耐えようとすれば、ミニ先物1枚でも14万円の負けを受け入れる覚悟がいる。だから損切り幅を広げるのではなく、枚数を落とす。それが筋だと考えています。
5つ目、ヘッジを学ぶ。 「全部売る」か「ただ耐える」かの二択から抜け出す。
プット買いや損失限定のオプション戦術です。
現物や先物はデルタしかなく、下がったらロスカットくらいしか手がない。でもオプションを知っていれば、ボラティリティに応じた戦術が組める。だからハイボラ時代こそ、個別株しかやっていない人ほどオプションを学ぶ価値がある、と私は思っています。
🎯 私が「当てにいく」のをやめた理由
Xを見ていると、先物の当て物合戦が盛んですよね。先出しがどうこう、と。
見ていて、いつも思うんです。ボラが高いほど、当たらない。
ごく一部のセンスのある人は別として、私を含む大多数には、当てにいく戦い方は分が悪すぎる。
だから私は、当てる競争からは降りました。
そのぶんのエネルギーを、サイズ管理とヘッジに振り向けています。地味ですが、こっちのほうが私には合っていました。
おわりに
ポジションを減らすのは、負けを認めることではありません。私にとっては、長く相場に居続けるための設計変更です。
明日の株価を当てにいくのは、もう諦めました。当てる方向ではなく、壊れない方向へ。
予想を外したことより、持ちすぎたことのほうが資産を壊す。ハイボラ相場では、これが本当に効いてきます。だから私は、当たったか外れたかより先に、サイズを見るようになりました。
ボラティリティが何を意味するのかを理解したうえで、行動を変える。それがこの異常な時代を生き残る最低条件だと、いまの私は思っています。
みなさんはこの1年で、投資のサイズややり方を変えましたか。それとも、昔のままで通せていますか。もし「ここを変えた」「ここはまだ迷っている」というのがあれば、返信でこっそり教えてもらえると嬉しいです。



先週先物をやっていて、この値幅の動きは怖すぎる(たかだかマイクロ1枚ですが)と思って、一旦しばらくやめることにしました。これを機にオプション勉強してみたいですね~
熊谷さん、こんにちは! 丁度今日入れた投稿でも書いてた通り、今週は1回しか建ててないし、デイトレでした。このタイミングでこの記事に出会えて、感動です!